東京大学生産技術研究所
大口研究室
「東京大学柏キャンパス一般公開2021」
特設ページ

工学のおもちゃ箱
〜つくってあそぼ、信号機〜

交通信号機で「あそぶ」

私たちにとって身近な存在である「交通信号機」。 大口研究室では、この「交通信号機」を長年にわたり研究し、より安全で円滑な道路交通社会の実現を目指しています。 そして、2017年(平成29年)には、ついに実物と同様の外見を持つ実験用交通信号機を柏キャンパスのフィールド上に設置するに至りました。

本特設ページでは、私たちが実験用信号機を活用して取り組んできた、交通信号機に関する実証的な検討をご紹介します。 「ホンモノ」で「つくって、あそんでみる」からこそ見えてくるものがある…… 信号機で「あそぶ」ことの楽しさや奥深さを感じていただけましたら幸いです。

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「見て学ぶ」企画

大口研究室での取り組みについて、YouTubeの「プレミア公開」動画にてご説明します。

動画の上映スケジュール

【22日(金)11:00】「① 自律分散的に働く信号システム」

【23日(土)13:00】「② 交差点の手前に取り付けられた信号機」

動画でご紹介した「自律分散型交通信号システム」とは、「センサ」「制御ロジック」「無線通信」「独立電源」の4つの機能を持った各流入方向の交通信号機がそれぞれ自律的に、また相互に分散して動作することで、交差点に到着する交通に対して適切に通行の指示を行うしくみです。 「自律分散型交通信号システム」の導入で期待できる点として、① 交差点に到着する交通をセンシングに基づいて把握し、これを流入方向の信号機単位で制御することによる「柔軟かつ適切な信号切り替えの実現」・ ② 交差点の信号機間を物理的に接続せず、無線で通信することによる「インフラ整備や維持管理の省力化」・③ 送電網によらず信号機が独立して電源を確保することによる「災害時でも停電の影響を受けない強靭性の実現」などが挙げられます。

柏キャンパスの実験フィールド上に設置された交通信号機はこの発想に基づいたものであり、十字路の各方向に設置された信号柱には、青黄赤を表示する信号灯器・画像式のセンサ・無線通信機器・ソーラー電源と蓄電池・組み込み式の小型コンピュータが備えられております。 現在、実際に近い環境下での実験を通して、システムの性能や導入・運用上の課題の検証に取り組んでいます。

動画でご紹介の通り、信号灯器の設置位置には、交差点を挟んだ奥側 (far-side) と 停止線の真上 (near-side) の2通りがあります。 大口研究室では、この信号灯器の設置位置に関する検討にも取り組んでおり、柏キャンパスの実験フィールド上には、日本での採用例が多い far-side に加えて、諸外国で実績のある near-side にも信号灯器を設置しております。

実験フィールドの交差点に用意された切り替えスイッチを操作することで、far-side と near-side の信号灯器をそれぞれ点灯させることが可能です。 実フィールドならではの走行実験を通して、設置位置の違いが運転挙動や交通環境に与える影響を調べています。

「体験する」企画

オンラインの質疑応答アプリや対話アプリを通して、研究に携わる教員やスタッフ・学生へ質問および意見交換が可能です。

実施スケジュール

【22日(金)13:00~15:00・23日(土)10:00~12:00】オンラインの対話アプリ (Gather.Town) で意見交換できます。

【22日(金)・23日(土)・24日(日) 10:00~16:30】オンラインの質疑応答アプリ (sli.do) で質問できます。